ヒビコレ

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観劇記録 第三回 かもめ企画「血は立ったまま眠っている」

10月9日 静浜亭にて。

 まず、客席が1Fと2Fありますと言われ、軽く1Fの様子も見えるかなということで2Fの階段あがったところの席を取った。

 てっきり、舞台が浜茶屋ということもあり、海に立つ2階建ての洋館あたりで1F,2Fを目まぐるしくキャラクターが動く劇なのかなと勘違いしていた。

どうやら1Fと2Fでは違う芝居が行われているらしい。

 そう気づいた時には、すでに芝居も3分の1ほどが終わっていた。
 そういえば、通常の芝居時にある「携帯電話の電源はお切りください、飲食はおやめください」等の前説も無かったので、どこから芝居が始まったのかもわかりづらい

 必死でストーリーを追っていると、何となく60年代の革命の話というのが見えてくるが、それでもほとんど見えることは無い。

 ストーリーを楽しめないとなると、あとは目に見えるもの、耳に聞こえるものと醸し出される雰囲気を楽しむこととなる。

 浜茶屋にもともとある古いポスター、訪れた人の写真、メニュー表など夏の記憶を背景に、少し荒れた感じの波の音のBGM。その中で演ずる役者。

 あいかわらず動きのキレがすごい。
 そして、芝居の途中で流れるメロディー。
 何か芝居を見ているのではなく、自分もただその場に迷い込んだのではないかと錯覚する。

 何よりも今回は感じたのは役者さんの目線。他の芝居を見ているとき最前列で役者さんと目が合うというときはたまにあるが、その時は無視できるが、今回はバチバチと目が合っているという場面が何度かあった。
 それで自分が一部物語の中に入ったのではと感じた。とりわけ熊川さんに指さされた時はドキっとしたなー。

 あと個人的には、前回と同じくあの波音のすぐ側(浜辺)で演じると身構えていた。それっぽい伏線が何か所かあったし。それもあって芝居の終わりも分からなかった。これは僕だけでなく、見ている者皆わからず、へろさんが「芝居は終わってますよ」と言われ、「ああ、そうか」という感じで了承。

 ただただ波の音の中にざらっとした「異和」を感じたそんな90分だった。